静かな退職とは?グレーゾーン・HSPに合った働き方という選択肢

仕事との向き合い方

最近、
たびたび「静かな退職」というワードを
ネットニュース欄などで目にします。

これは、実際の退職を指す言葉ではなく
若者の中で広まっている
”とある働き方”のことを指しています。

この「静かな退職」が話題にあがるとき
そのほとんどがネガティブな働き方として
議題に挙がっているんです。

しかし私はこう思いました。

「この働き方、、、、使い方次第で、
企業・労働者双方にとってのメリットは残しつつ
不器用さんにぴったりの働き方
なるのでは、、、、、?!?!?!」

〇自己紹介
◀rukkochan
X(旧Twitter→るっこチャンネル/元鬱仕事術
大学で4年間、心理学を勉強。
人生初の営業職で、自身も鬱になる。
本を読むことだけは好きだったので、
病院に通いながら1か月に20冊の本を読み、
蓄えた知識を実践しながら生きています。

静かな退職とは

静かな退職とは

「必要最低限の業務だけを行い、
熱意や野心をもって働くことはせず、
淡々と仕事をこなすこと」

を指します。

つまりこのワードは
実際の退職を指しているわけではなく、
心が会社から離れているようなものだ
ということを表現したものなのです。

元はアメリカの若者を中心に広まった働き方ですが、
近年では、日本のZ世代でも広がりを見せています。

例えば、
自ら目標を立てて、それを達成するために
残業をしてまで作戦を立てたり、などはせず、
与えられた業務のみを行い、

同僚や上司・顧客との
コミュニケーションを図る目的の
定時後の飲み会には参加したりせず、即帰宅。

急ぎの案件が降ってきても、
定時を過ぎていたら明日に回す。

当然の権利といえばそうなのですが、
昭和世代から見ると、

「な~んか、や~な感じ~~(ジロリ)」

となるのは必然といえば必然なのかもしれません。

よって、この「静かな退職」が
話題に上がるときは、
なんとなくネガティブイメージで議論が繰り広げられるわけです。

【3選】静かな退職が増えている原因

・ハッスルカルチャーの衰退

・終身雇用制度の衰退

・ワークライフバランスを重視する傾向

ハッスルカルチャーの衰退

ハッスルカルチャーとは、
人生の中で、仕事を最も優先順位の高いものと位置づけ、
常に全力を注ぐ風潮のことを言います。

残業が美徳とされたり、
無理をすればするほど、努力とみなされる、
ひと昔前をイメージしてもらうといいでしょう。

しかし、近年では
そういった考えや風潮は「古いもの」として扱われます。

以前、
過労死事件なども大きく取り上げられたこともあり
令和時代では
「せっかくの人生、仕事よりも自分を大切にしよう」という考えの方が強いようですね。

終身雇用制度の衰退

昔は、一度入社したら死ぬまで
同じ会社で働き続け、
年次とともに役職や給料が上がっていくことが普通でしたが、
近年ではそのシステムは崩壊しつつあります。

誰もが知る大企業であろうが、
なにかと変化が著しい現代では、必ず安定とは言えませんし
それに伴い、労働者も手軽に転職する時代になりました。

それにより、労働者の
「私はこの会社の一員であり、
会社のためならがむしゃらにがんばる!」
というような
帰属意識(自分は会社の一員である、という意識)はうすれています。

ワークライフバランスを重視する傾向

先ほどのハッスルカルチャーの衰退と
つながる部分もありますが、
今の若い世代間では、お給料よりも
企業ブランドよりも、
「ワークライフバランス」を重視する傾向
「自分らしく働けるか」を重視する傾向
多くあるようです。

終身雇用制度の崩壊が起こりつつある今、
その傾向はより顕著になりました。

マイナビニュースによると
2024年および2025年卒業予定である大学生830名を対象にした
「就職活動において重視している項目」に対する回答は

①成長が見込めるビジネスを行っている
②共感できるビジョンがある
③仕事と生活のバランスが優れている、というものでした。
(参照:就活生が「企業選びで重視する項目」1位は? – 高評価の上位企業も発表

昔は「給与水準」「福利厚生の充実」「大手思考」が一般的でしたから、
やはり就活生・労働者の思考に
大きな変化があるとわかります。

静かな退職が不器用さんに合っている?

ここまでみて、
なんとなく静かな退職に
マイナスイメージを抱いている方の方が多いかと思います。

しかし静かな退職も見方を変えて
適切な環境を整えれば
不器用さんにとって、
働きやすい&続けやすいスタイルの選択肢となりうるのです。

静かな退職に向いている人はこんな人

・人生において、仕事よりもプライベートを大切にしたい人

・一定の金額がもらえれば、特に出世しなくてもいいという人

・物事を追求するより、目の前のことをコツコツもくもくこなしたい人

・ゆっくり自分のペースで働きたい人

・給料が高くなくてもいいから、責任をあまり負いたくないと感じている人

静かな退職をうまく活用するには

労働者側の活用方法

・一般人程度のマナーは守ること
→常識といわれる範囲のマナーは守りましょう。
 マナーを守らず、
 周りから悪い印象を持っていると、
 「静かな退職」を快く受け入れてもらえません。

 例えば、
 ・謝罪・お礼をきちんとする
 ・遅刻連絡は必ずする
  (出社したら申し訳なさそうにするのも意外と大事)
 ・当日欠勤はなるべくしない
 ・挨拶をキチンとする
 ・上司にたてつかない

・飲み会には参加しなくてもいいから、愛想はよくしておくこと
→先ほどのマナーに
 プラスアルファと思って愛想だけでもよくしておくと
 「静かな退職」をより受け入れてもらいやすくなりますし、
 自由に色々とやりやすくなります。

 例えば
 ・謝罪・お礼はこまめに
 ・話しかけられたら目を見て笑顔で対応
 ・上司立てる

 心がこもってなくても、
 「自分があとからやりやすくするため」
 と思ってやってみるのも
 いいかもしれませんよ。(小声)

・ミスはなるべくしない
→人は必ずミスをしますから、
 完全になくす必要はありません。
 しかし、定時ピッタリに帰ったり、
 定時後は連絡を取らない、
 という働き方を選択するのであれば、
 他の人に迷惑をかけないよう
 人一倍ケアレスミスに対して、注意する気持ちを持つことが必要です。

・常に副業を視野に入れておくこと
→静かな退職を選択する人は、キャリアが停滞します。
 そのため、
 常に副業の選択肢を頭に入れて置いたり、
 副業の可能性をスキル面で持っておくことが必要になります。

・やるべき仕事はキチンとこなすこと
→「自分は静かな退職者なのだから」と
 色々なことを適当にやったり、
 投げ出したりすることはやめましょう。

 静かな退職が認められるために重要なポイントは
 「やるべきことはやる。だけど会社に過剰な奉仕はしませんよ」です。

 間違えないようにしましょうね。

企業側の活用方法

・静かな退職という志向を正しく認知する
→「静かな退職」の
 マイナスイメージに引っ張られることなく、
 双方のメリットも含め、正しく認知しましょう。

 経営陣が正しい認知をしなければ、
 「静かな退職」のメリットの恩恵を受けることはできません。
 
・静かな退職の正しい姿をきちんと周知する
→「静かな退職」のメリット/デメリットを社員に
 正しく周知します。

 これをすることで
 ・静かな退職者に対する偏見が取り除かれる
 ・出世コースから外れてしまった人が
  選択肢として認識できる。
 などの効果があります。

・昇進するために頑張るコースと、
 静かな退職コースでキチンと差をつける

→「静かな退職者」を無敵の人にしないために大切なことです。
 あくまで「静かな退職」とは、
 「出世や昇給には期待しないから、
 企業に過度な奉仕もしませんよ」
 ということですから、
 静かな退職者に
 「なんであの人と比べて
 自分の給料はこんなに低いんだ!!」
 といわせないための対策を打つことは、
 最重要事項といえるでしょう。

企業側/労働者側 それぞれのメリット・デメリット

いくら、「静かな退職」が
使い方次第で不器用さんにとって
働きやすいスタイルになるといったって、
企業側/労働者側、
それぞれにいい面と悪い面があるのは事実。

しっかり理解したうえで、自分の選択肢に取り入れるかを判断しましょうね!

労働者側のメリット

・プライベートを充実させることができる。

・自分がやるべき仕事と、
 やらなくて良い仕事を明確に分けることができる。

・無駄にエリートと比べられる必要がなくなる。

・男女関わらず育児との両立がしやすくなる。

労働者側のデメリット

・給与を上げることが難しくなる
(結婚願望が強い人・子どもが絶対欲しい人には向かないかも)

・業務内容で、自分の考えやアイデアを形にする機会があまりない

・仕事に変化がなくなるので、飽き性の人に向いていない

・会社とのつながりが薄れるため
 大規模なリストラなどがあった際は、
 対象になる可能性があがる。

・昇進コースの従業員とは区別されてしまう可能性がある。

企業側のメリット

・生産性が上がる可能性がある
 →定時退社するために、業務時間内の生産性が上がったり、
  プライベートと仕事の区別がキチンとなされるため、
  切り替えて仕事ができるようになる。

・「消費活動」が活発化する。
 →プライベートの時間が増えるため、
  それだけ消費活動に使う時間も増える。

・働き方の幅が広がるため、労働力を確保できる。

企業側のデメリット

・昇進コースの従業員と区別しなければならなくなる

・チームとしての輪が乱れる可能性も

・正しく静かな退職を周知しないと
 全体的な生産性が下がる可能性もある。

まとめ

いかがでしょうか。

出世して、高い給料をもらうぞ!と
意気込んでいる人がいるならば、

一定のお給料でいいから、
あまり責任を負わず、決められた仕事だけをこなしていたい
という需要があるのもおかしくはありません。

ただ、静かな退職を職場に受け入れてもらうためには
最低限やらなければならないこともありますから、
注意してくださいね。

記事に関するご意見・ご相談は相談フォームより。
ではまた次の記事で。

参考→著:海老原嗣生「静かな退職という働き方」

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