近年、学校などの教育現場では
タブレット学習が浸透してきましたね。
とある学校では、
宿題すらも先生から”配信”されるのだとか。
教育先進国といわれる北欧では、
いち早く学習のデジタル化に対応してきました。
しかし今、スウェーデンで
その流れに逆行する動きが出てきているのをご存じですか?
つまり、デジタル化された学習を、
紙に戻す動きが出てきているのです。
なので今回はこんな疑問について調べてみました。
「なぜ人は結局紙の本に戻ってきてしまうのか?」
〇自己紹介◀rukkochan
X(旧Twitter→るっこチャンネル/元鬱仕事術)
大学で4年間、心理学を勉強。
人生初の営業職で、自身も鬱になる。
本を読むことだけは好きだったので、
病院に通いながら1か月に20冊の本を読み、
蓄えた知識を実践しながら生きています。
デジタル学習→紙学習の実例
スウェーデンでの実際のニュースがこちら。
IT先進国スウェーデン、学校で「紙と鉛筆のアナログ教育」に戻る計画を発表

勉強はやっぱり鉛筆と紙!? フィンランドの学校で「脱デジタル化」取り組み ノートPC無償配布も成績は下降

私もはじめは「えー!逆張り精神?」と思いましたが、
自分の行動を思い返してみると納得がいきました。
今では本も、単語帳も、ノートも料理本も
全てデジタルで手軽に見に行くことができますね。
だから何かを学習したいと思ったとき、
最初はそのデジタル化されたもので学習を始めるんです。
電子書籍を読んだり、
Youtube などで動画学習をしたり、、、
しかし私の場合、結局最終的には紙の本を手に取っているんです。
その学習したいものに対する本気度が高ければ高いほど
結局紙の本に戻ってきてしまう。。。!
私だけ?と思っていましたが、以外とそういう人は多いみたいで。
なぜ人は結局紙の本に戻ってきてしまうのか?
・自由度が高いから
・自分に主導権があるから

自由度が高いから
やはりアナログの最大の利点である
「自由度が高い」こと。
1つマーカーを引くことをとっても、デジタルであれば、
・マーカーを引きたい箇所を
選択する
・メニューを表示
・マーカーのメニューを選択
・色を選択
・ボタンを押す
とこれだけ手数が必要ですが、
(もちろん、もっと簡単なやり方はあるかもしれませんが)
アナログであれば
・ペンの蓋をはずす
・線を引く
というように
「思い立ったらすぐ実行」ができるのがメリットだと思います。
そのほかアナログにしかできないことは、
・紙を折って、一部を見えないようにする
・ちょっとした図を書く
・ページをパラパラとめくる
・薄く書いたり濃く書いたりする
・ページを切り取る
・細かく書く
などなど、
些細なことではありますが、
やはりやりたいまま、手元ですぐに動かせるという点においては、アナログの方が優れているのかもしれません。
自分に主導権があるから
デジタル学習と違い、
アナログ学習は、自分に主導権があることが利点です。
どういうこと?
例えば動画学習の場合、
早くしたり遅くしたりスキップしたり、
自分の思うままに動かせていると思いきや、
そのツールに内蔵されている、速度やスキップ間隔でしか
操作することができません。
また、
動画を飛ばしすぎてしまったり、
戻しすぎてしまったり、
自分の思うように操作できなかった体験を
したことがある人も多いと思います。
デジタル書籍についてもそうです。
拡大したり縮小したり、マーカーを引いたり、
こちらも自由度が高いと思いきや、
画面を拡大すると、
それ以外のところは隠れてしまいますし、
ページを飛ばすのもパラパラとはできません。
目次をクリックして
ページをジャンプすることはできますが、
それでは
目的のページが何ページなのか把握していなければなりません。
対するアナログはどうでしょう。

現物の漫画や本の場合、
早く読もうが、遅くゆっくり読もうが、
こちらの思う通り。
文字をよく見たいからと
近づいてみて見たり、虫眼鏡を使っても、
それ以外の画面は隠れません。
目的のページが
どこにあるかわからなくても
パラパラとめくりながら探すことができます。
これが、わたしが考える
「アナログ学習は自分に主導権がある」ということです。
デジタル学習のメリットデメリット
ここで、デジタル学習のメリットとデメリットを
まとめておきましょう。
メリット

最新の情報に、最速で到達できる
ネットにはいつでも最新の情報を見ることができますし、
今では通信速度も5Gになって、
いつどこでも最新の情報に触れることができます。
知りたい答えに直結できる
何かわからないことを調べたいとき、
実物の本であれば
正解にたどり着くまではページをめくり
文章を流し見しなければなりませんが、
デジタルであれば、検索欄に単語を入れて
エンターキーを押すだけです。
1つの端末ですべてを完結できる
今まではランドセルの中に
教科書、筆箱、ノート、電子辞書、資料集と
様々な勉強用具が詰め込まれ、
重たい重たいランドセルとなっていたものが、
現代ではタブレット端末1つで完結するようになりました。
視覚や聴覚などから楽しく情報を入れられる
動画や音で、いろいろな刺激や感覚から
情報を取り込むことができるため。
考えたりしなくても
比較的、情報がスッと取り入れやすいです。
デメリット

体験機会を減らす
今ではほとんどのことは
ネットに正解が載っているため、
自分の足で動いて行動する、
という機会を無くしているという意見もあります。
失敗することがなくなるので、間違いを恐れるようになる
デジタルは便利なもので、
間違えたら削除をすれば、消しゴムのあとも
ばってんもつかずに消し去ることができます。
それに、いつでも正解に最短距離で近づくことができる。
すると人は失敗を繰り返し、乗り越えて
成功にたどり着くという経験をしなくなります。
その結果、失敗やミスを極度に恐れる
完璧主義者が誕生するのです。
フィルターバブル効果
フィルターバブルとは、
アルゴリズムによって
「見たい情報が優先的に表示される」
「見たくない情報が遮断される」環境が構築され、
ユーザーの視野が狭くなっていくという仕組み
(引用:フィルターバブル・エコーチェンバー現象とは?発生アルゴリズムと危険性・偏った情報の回避対策)
エコーチェンバー効果
エコーチェンバー現象(エコーチャンバー現象、Echo chamber)とは、
自分と同じ意見があらゆる方向から返ってくる「反響室」のような狭いコミュニティで、
同じような意見を見聞きし続けることによって、自分の意見が増幅・強化されることを指す。
ツイッターなどのSNSや、インターネット掲示板など
「同じ趣味・思想の人とつながることができる」場で起こりやすい現象だ。
(引用:エコーチェンバー現象とは・意味)
素材体験の欠如(現実世界の感覚の欠如)
実際にものに触ったり、現実世界での感覚を感じる機会が
減ることが懸念されています。
脳への負荷
タブレット学習は脳への負荷が高いとされています。
紙媒体と比べるとデジタル機器を使用したほうが
脳の血流量が増えるのに、読解力は紙ベースのほうが高いという研究もあります。
(引用:タブレット学習のデメリットは?脳への影響や対策を教えてください)
脳はマルチタスクが苦手な傾向にあります。
デジタル機器は1つの端末ですべてを解決できる分、
脳が常にマルチタスク状態になっていると言えるのかもしれません。
また、脳だけでなく、
目や姿勢えの影響から、
身体への負荷も懸念点とされています。
デジタルとアナログ、結局どっちがいいの?

結論、正しく使い分けることが必要でしょう。
なんだそのつまらない答えは!
とお怒りの声が聞こえてきそうですが(笑)
私はすべてをデジタル化する極端な政策には
反対です。
基本学習はやはり、
アナログで学習するのが
いいのではないでしょうか。
そして、
理解ができないところ、
イメージがわかない箇所などは
動画を利用するのです。
また、英語学習などでは
「音できくこと」がかなり重要な要素となってきますから、
教科の特性により使い分けるということも大切でしょう。
まとめ
いかがでしょうか。
なんともふわっとした結論を出してしまいましたが、
「どちらにもメリットデメリットがある」
というときには結局、
どちらか一方の方法に頼るのではなく、
双方のメリットデメリットの特性を生かして
”正しく”使い分けるということが
遠いようで一番の近道なのです。
それにしても、令和になってもまだまだ本屋さんが
つぶれそうにない理由が分かった気がします。
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相談フォームより。
ではまた次の記事で。
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